突然 SMS(ショートメール)でやってくる「スミッシング(詐欺)」メール。
大手通信会社やamazon、宅配会社の名をかたり送信されてきます。
Androidスマホであれば不正アプリのインストールを、iPhoneであればIDやパスワード入力をたくみに誘導してきます。
こんな詐欺メール、誰しも受け取りたくないものです。
そんな中、ドコモとソフトバンクが2022年春よりSMSの迷惑メール自動ブロック機能が提供されると発表されました。
基本どちらの通信キャリアでも自動的に適用にはなるのですが、現在の設定によっては一部の方が自動適用にならないとのことです。
ここではauも含めた各社の対応と、すでに提供開始となったドコモの「危険SMS拒否設定」について説明致します。
スミッシング(詐欺メール)とは
eメールではなく携帯電話の電話番号宛に届く、SMS(ショートメール)を利用したフィッシングメールのことを「SMS phishing」を略してスミッシング(Smishing)といいます。
SMSはその開封率の高さから、詐欺メールが横行しており社会問題になっています。
もしかすると皆さんも、こんなメールを見たことはありませんか。
- ●有料動画の未納料金があります。本日中にご連絡無き場合は、法的手続きに移行致します。amazon
- ●会員登録料が未払いです。本日ご連絡無き場合、少額訴訟の手続きに移行致します。amazon
- ●ご利用料金のお支払い確認が取れておりません。本日中に〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇日本通信(株)お客様センター迄ご連絡ください。
- ●未納料金を滞納しております。ご連絡なき場合は法的手続に移ります。YAHOO
出典:消費者庁ウェブサイト
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/caution_016/
この他にもApple・ドコモ・ソフトバンク・au・宅配会社・銀行等ありとあらゆる名前をかたり騙そうとしてきます。
上記のようなメールが届き記載されているURLにアクセスすると、IDやパスワード入力を求めてきたり、不正なアプリのインストールをうながしてきたりします。
最終的には払う必要のない料金を請求されたり、個人情報を盗まれたりするから気を付けて!
本物の業者と同じスレッドになる!
今までこういった詐欺SMSは送信元を詐称していても、公式のメールとは違うスレッド(フォルダ)に入ってくるのが一般的でした。
しかし最近の傾向としては国際SMSの仕組みを悪用する「送信元偽装」を使い、公式のSMSとフィッシングSMSが同じスレッドに表示されるため、あたかも本当にその業者が送信したように見えてしまいます。
こうなってくると このメールが本物なのか偽物なのか確認することは不可能だね
こういった場合に推奨されているのは、メール内のURLからは絶対にアクセスせず、公式アプリがあるときはそちらから、もしくは公式ホームページ等にある電話での問い合わせ先へ確認するのが良いでしょう。
フィッシング対策協議会によると、2021年11月のフィッシング報告件数は4万8,461件に上り、深刻な社会問題となっています。
以前、詳細までは覚えていないのですが以下のような痛ましいニュースを読みました。
おじいさんが息子の名前を語るオレオレ詐欺に大金を盗まれるというものです。
そのおじいさんは息子や身内から、こんな単純な手口に騙されたことを責められ、それを苦に自殺してしまったというものでした。
通信キャリア各社の対応
ではここからはSMSサービスを提供している、各通信キャリア(会社)の対応策を見ていきましょう。
ドコモ
2022年1月にドコモ・ソフトバンクより迷惑SMS拒否機能「危険SMS拒否」の提供が開始される旨 発表がありました。
利用料金は無料で利用ができるのはahamoを含む、ドコモ契約回線の方。
そしてドコモ回線のMVNOサービス、mineoとOCN モバイル ONEでも利用が可能です。
ドコモはすでに3月24日より同機能の提供が始まっており、基本的に自動適用となります。
機能としては
- ●不正なアプリをインストールするよう誘導するSMS
- ●個人情報を盗み出そうとするサイトへ誘導するSMS
- ●金銭や個人情報をだまし取ろうとする詐欺電話番号への誘導するSMS
利用者がSMSを受信する前に、送信元情報や本文内容からドコモが自動で判定、フィッシングSMSと判断されたものはSMSの受信を拒否してくれます。
拒否されたSMSはスマホに届きません。
ソフトバンク
ソフトバンクでは、迷惑SMS対策として「なりすましSMSの拒否」「URLリンク付きSMSの拒否」および「迷惑SMSフィルター」の新機能を、2022年春頃に開始するとしています。
現時点(3月末)ではまだ提供は確認できませんでした。
迷惑SMS対策内容
項目 | 内容 |
---|---|
なりすましSMSの拒否 | 差出人をソフトバンクなどと詐称したSMSを拒否できます。 |
URLリンク付きSMSの拒否 | 本文にURLが含まれているSMSを拒否できます。携帯電話番号から送られてくるSMSが対象です。 |
迷惑SMSフィルター | 機械学習(マシンラーニング)による解析を活用し、送られてくるSMSを迷惑SMSかどうか判断し、拒否します。悪意のあるウェブサイトへ誘導するようなSMSなどに非常に有効です。 |
電話番号メール拒否・許可 | 従来の電話番号での入力指定に加えて、新たにアルファベットでの入力指定を追加します。これにより発信元がアルファベットで表示されている迷惑SMSも拒否できるようになります。 |
提供対象は“ソフトバンク”、“ワイモバイル”“LINEMO(ラインモ)”をご利用中のお客さまとなっており、My SoftBank、My Y!mobile、My menuまたは法人コンシェルから設定が可能。
「なりすましSMSの拒否」と「迷惑SMSフィルター」は提供開始後、申し込み不要で自動で適用されるとのことです。
au(KDDI)
ドコモ・ソフトバンクに追従する形でauでは、2022年度内を目処に、迷惑SMSの受信前自動ブロック機能を提供すると発表しています。
併せて、3月24日から同機能が提供されるまでの間、au/UQ mobile/povoのユーザー向けに有償で提供されてきた「迷惑メッセージブロック機能」の無償提供を実施することが発表されました。
出典:KDDI
ただこちらはアプリをインストールする必要があり、かつサーバー側でブロックしてくれる訳ではありません。
スマホで受信した迷惑SMSの自動検知や迷惑フォルダへの振り分け、ユーザーへの警告などがされるのみです。
2022年度内を目処に新たなサービスが提供されると思われ、いち早い対応が期待されます。
楽天モバイル
楽天モバイルでは、迷惑SMSを受信したユーザー側でのブロック機能などは現状、提供されていません。
ただし今後「Rakuten Link」アプリにおいて電話番号やSMS送信元を指定して着信・受信拒否を設定できる機能の追加を検討しているということです。
ニュースソース:ケータイウォッチ:
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1380313.html
気になるのは楽天モバイルでiPhone利用者は「Rakuten Link」アプリではSMSが受信できず、現時点ではメッセージアプリでの受信になっていること。
そしてそもそもiPhone X以前に発売されたiPhoneのモデルは、 Rakuten Link 動作保証対象外であることです。
今後これらの点がどのように改善されていくのか気になるところです。
ドコモで自動適用になる人は?
ドコモからのアナウンスによると
提供開始時点で、「SMS拒否設定」で「SMS一括拒否」または「個別番号受信」を設定されていると自動適用されず、現在の設定内容が維持されるとあります。
そう記載されているとドコモ回線利用者としては適用になっているか否か気になりますよね。
設定方法
●iモードからの設定方法
SMS拒否設定(iモードからの設定方法)iMenu → お客様サポート → 各種設定(確認・変更・利用) → メール設定
●spモードからの設定方法
SMS拒否設定(spモードからの設定方法)
dメニュー → My docomo→ 設定を押下 →「メール」にある、「SMS拒否設定」
●ドコモスマホ(iPhone)からの設定方法
My docomoからSMS拒否設定を行います。
ahamo(ドコモ)危険SMS拒否設定方法
ahamoの回線の方はスマホ(iPhone)からならahamoアプリがアクセスしやすいです。
パソコンからならahamoホームページからログインしてもOKです。
ドコモもahamoの方もMy docomoからSMS拒否設定を行いますが、以下が画面遷移となります。
必ず最後の画面キャプチャーにあるように、設定が完了したことを確認しましょう。
最後まで読んでくれてありがとうございました